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歯の知識

船橋歯医者が解説|冷たい飲み物で歯が痛い?知覚過敏の原因と予防策

親子三代で通える歯医者、船橋市のあおぞら歯科クリニック本院です。

 

「冷たい飲み物を飲むとキーンとしみる」

「歯みがきのたびにズキッと痛む」

 

そんなお悩みは、むし歯ではなく“知覚過敏”が原因かもしれません。

 

 

知覚過敏は、歯の内側にある象牙質が外部刺激(冷水、ブラッシング、酸、風など)に反応しやすくなった状態。放置すると生活の質を下げるだけでなく、噛み合わせや歯ぐきにも影響することがあります。本記事では、知覚過敏のしくみと原因、今日からできる予防策、歯科医院で行う治療までを丁寧に解説します。

夏の冷たい飲み物が増える季節こそ、正しい知識とケアでしみる痛みから卒業しましょう。

 

 

こんなお悩みはありませんか?

◎冷たい飲み物、アイス、うがいで歯がしみる

◎歯みがきや冷たい風(マスクを外した瞬間)で痛む

◎甘いもの、酸味の強い飲食でピリッとする

◎一時的な痛みだが、最近頻度が増えた

◎むし歯はないと言われたのに、しみる

 

 

 3分で確認できる『知覚過敏のサイン』

以下の項目で該当するものにチェックを入れてください。目安として、ご自身の状態を把握するための簡易チェックです。

✅冷たい飲み物で一瞬鋭い痛みが出るが、すぐにおさまる

✅温かい飲み物では痛まない(または冷たい時より軽い)

✅歯みがきのとき、特定の歯や部位でピリッとしみる

✅甘いもの・酸っぱいものを口にするとしみることがある

✅冷風(エアコン)や外気が歯に当たるとしみる

✅歯ぐきが下がって歯が長く見える、歯と歯ぐきの境目がくぼんでいる

✅硬い歯ブラシを使っている、強い力でゴシゴシ磨く癖がある

✅就寝中や集中時に食いしばる、歯ぎしりを指摘されたことがある

✅炭酸飲料・スポーツドリンク・柑橘・黒酢など酸性飲食の回数が多い

✅ホワイトニング後に一時的なしみを感じたことがある

✅知覚過敏用ハミガキを使うと症状が少し楽になる

 

判定の目安

・0〜2個:生活習慣の見直しとセルフケアを続け、経過を観察しましょう。

・3〜5個:知覚過敏の可能性があります。セルフケアに加え、早めの歯科相談をおすすめします。

・6個以上:別の疾患(むし歯、歯髄炎、クラック等)の可能性もあります。できるだけ早く受診を。

※チェックはあくまで目安です。痛みが数秒でおさまらない、温かい飲み物でも強く痛む、夜間にズキズキする、噛むと響くといった症状があれば、知覚過敏以外の原因が隠れていることがあります。自己判断せず、早めにご相談ください。

 

 

知覚過敏とは?“しみる痛み”が起きる仕組み

知覚過敏は、歯の表面(エナメル質)や歯ぐきが下がった根の表面が薄く・弱くなり、内側の象牙質に無数に走る細い管(象牙細管)が外界に開いてしまうことで起きます。象牙細管の中の液体が温度変化や圧力で動くと、歯の神経に刺激が伝わり、鋭い一過性の痛み(キーンとする、ズキッと来る)として感じます。これを『水力学説』といい、冷水・風・ブラッシング・甘味・酸など、多様な刺激で誘発されます。

しみる痛みは数秒以内で消えることが多いのが特徴です。これに対し、夜間もズキズキ続く・温かいものでも強く痛む・噛むと響くといった症状は、むし歯の進行や歯髄炎、歯のひび割れ(クラック)、歯周病の急性炎症など別の病気が隠れている可能性があります。自己判断が難しいため、症状が続く場合は早めの受診をおすすめします。

 

 

原因はひとつじゃない⁉知覚過敏を招く主な要因

原因は複合的で、以下が代表的です。

1.強すぎるブラッシング・硬すぎる歯ブラシ
歯ぐきの縁を横磨きでゴシゴシ続けると、歯頸部が削れやすく、歯ぐきも下がりやすくなります(くさび状欠損)。\\\

2.歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)
就寝中や仕事中の無意識の噛みしめは、エナメル質の微小破折や歯頸部への応力集中を招き、知覚過敏の大きな要因に。

3.酸蝕(さんしょく)
炭酸飲料・スポーツドリンク・柑橘類・黒酢・ワインなど酸性の飲食物、逆流性食道炎などで歯が軟化。薄くなったエナメル質は刺激を通しやすくなります。

4.歯肉退縮・加齢・歯周病
歯ぐきが下がると、本来エナメル質に覆われていない根面(象牙質)が露出し、しみやすくなります。

5.ホワイトニング後の一過性のしみ
薬剤の影響で象牙細管が一時的に開き、数日~1週間ほど知覚過敏が出ることがあります。適切な濃度や休止日設定で軽減可能です。

6.不適合な修復物・咬合のズレ
詰め物・被せ物の段差や、高すぎる噛み合わせは局所に負担を集中させ、しみを助長します。

7.歯のひび(クラックトゥース)
硬いものを噛む習慣や歯ぎしりで微細な亀裂が生じ、冷温刺激や噛んだ瞬間に痛みが出ることがあります。

知覚過敏は『結果』であり、『原因』は人それぞれ。原因と程度を見極めたうえで、生活習慣とプロケアを組み合わせることが改善の近道です。

 

 

今日からできる予防・セルフケア ~しみにくい口内環境へ~

歯ブラシは“やわらかめ”、力は軽く
ペンを持つように握り、毛先を歯ぐきに45度で当てて小刻みに。適切なブラッシング圧は、150~200gと言われています。これは歯ブラシの毛先を歯の表面に当てた時に、毛先が広がらない程度の力加減です。

低研磨・知覚過敏用ハミガキの活用
フッ化物(目安1450ppm)で再石灰化を助け、硝酸カリウムや乳酸アルミニウムなどの成分で神経の興奮や象牙細管の開口を抑えます。1~2週間継続して効果を評価。

酸性飲食後は『すぐ磨かない』
酸で軟化した歯面は削れやすい状態。水・お茶で軽くゆすぎ、30分ほど置いてからやさしくブラッシング。

冷たい飲食の“飲み方”を工夫
キンキンに冷えた飲料・アイスは、歯に直接当てずに飲み込み、ストローを使い、口内に留めない。常温飲料も併用。

間食・酸性飲料は『時間を決めて』
だらだら飲み食べは避け、食事のときにまとめる。就寝前の甘味・酸味は控えめに。

歯ぎしり対策と口呼吸の見直し
就寝前のストレッチ・深呼吸。日中の噛みしめ注意にはリマインダーを活用するのも効果的です。スマホの通知機能や付箋を使用し、定期的に「歯を離す」 「リラックス」といったメッセージを表示させ、無意識の噛みしめに意識を向けるようにします。鼻づまりがある場合は耳鼻科の受診も考えましょう。

ホワイトニングは『無理なく計画的に』
症状が出やすい方は濃度・頻度を調整し、知覚過敏用ジェルやハミガキを併用。中断・再開の判断は歯科医師と相談を。

セルフケアは“続けてこそ”効果が出ます。2週間程度で改善が乏しい場合は、原因が別に隠れている可能性があるため受診しましょう。

 

 

歯科医院でできること ~原因に合わせたプロのアプローチ~

まずは問診・視診・触診、冷水・エアーでの反応テスト、咬合チェック、必要に応じてレントゲン・口腔内写真で原因を特定します。そのうえで、次のような治療を組み合わせます。

🦷✨高濃度フッ化物塗布・象牙細管封鎖材
フッ化物やカルシウム・リン酸系の薬剤、レジン系コーティングで象牙細管を封鎖し、刺激の伝達を遮断。短時間で処置可能です。

🦷✨歯頸部欠損へのダイレクトボンディング
くさび状欠損や露出根面をレジンで修復し、見た目としみを同時に改善。歯を大きく削らずに済むのが利点です。

🦷✨咬合・修復の見直し
高いかみ合わせや段差のある詰め物がある場合は調整し、局所負担を軽減します。

🦷✨ナイトガード(就寝時マウスピース)
歯ぎしり・食いしばりから歯を守り、エナメル質の摩耗やひびを予防します。

🦷✨歯周治療・歯肉退縮への対応
歯石除去で炎症を抑え、ブラッシング方法を見直します。必要に応じて歯周外科で根面被覆を検討することもあります。

🦷✨根管治療の検討
強い痛みが長く続く・温かいもので痛む・夜間痛がある場合は、神経の炎症が進行している可能性があり、根管治療が必要になることもあります。

当院では、歯がしみる原因と生活背景を丁寧に伺いながら、審美性と機能性の両立をめざした治療をご提案いたします。

 

 

受診の目安 “そのしみ、本当に知覚過敏?”

次のような場合は、早めの受診をご検討ください。

◎しみる痛みが2週間以上続く、または強くなっている

◎温かい飲み物でも痛む、夜もズキズキして眠れない

◎噛むと響く、特定の歯だけが痛む

◎知覚過敏用ハミガキを2週間使っても改善しない

◎ホワイトニング中に強い痛みが出る

 

知覚過敏は『治らないから我慢するもの』ではありません。原因に即した対策で、ほとんどの方が改善を実感できます。冷たい飲み物が増える今こそ、気になる歯のしみを放置せず、船橋市のあおぞら歯科クリニック本院へご相談ください。

 

 

本記事はあおぞら歯科クリニック本院院長 古橋淳一監修のもと作成しています。